インターナショナル・フォスターケア・アライアンス

International Summit for the Legal Needs of Street Youthに参加して

筒井保治 (IFCA日本ユースチーム・アダルトサポーター)   6月16日・17日にロンドンで行われストリートユースに関する国際会議にIFCAを代表して参加しました。 世界各国から専門家や当事者ユースが集まり、各国が抱えている問題をシェアし、ストリートユースに対する支援の在り方や権利擁護についてディスカッションし、問題解決の道を探るもので、私からは日本の社会的養護の制度や、金銭面からの大学進学率の低さ、退所後に抱える問題についてスピーチさせて頂きました。 会議を通して得るものは多く、また、日本の社会的養護の問題に向き合う上での指針になったように感じています。 まず、各国のユースが必要としている支援として『自分のことを見ていてくれる大人の存在が欲しい』という声が多く挙げられていました。 各国のユースが抱えている問題はそれぞれ違います。しかし、挙がってくる声は同じです。 日本でもユースが退所後に抱える問題は様々あり、それぞれの問題に対しても問題解決を図っていかなければならないですが、その根本として信頼できる大人の存在や継続的な関係性が必要不可欠になってきます。 当然のことではありますが、当然であるが故に見落とされがちな部分でもあると思います。 また、頼れる大人の存在がいないユースも数多く存在し、この問題についても日本で切り込んでいかなければと感じました。 また、ディスカッションの中で『ストリートユースについて正しく認識されていない・誤った認識がされている』という意見も多く、日本においても“社会的養護”が誤った認識や偏見、社会的に知られていない現状があります。 ユースが自己の経験を周囲に語る事は非常に困難な事です。また、退所後の生活に支障を来すこともあります。 世間の多くの方々に社会的養護について知ってもらうことも重要であると思います。 当事者の声の重要性にもユース・専門家の双方から触れられ、専門家からはユースの声に耳を傾けることの大切さや、政策をトップダウン式のものではなくユースの声を反映させて作っていく事が必要との発言が各国から挙げられていました。 ユースからは自分たちの声を発信していく場所がない事に触れ、“自分たちが声を挙げる場が欲しい”、“自分たちの声に耳を傾けてほしい”との声が挙げられおり、各国のユースが抱えている問題は違えど、当事者が声を発し、必要な支援の在り方や権利について発信していくことの重要性について再認識しました。 今回の会議に参加したことにより、国々によってユースを取り巻く環境は違ってもユースのニーズであったり、支援や制度の在り方など共通な事柄が多く、各国の現状を知るとともに日本の社会的養護の問題を見つめ直す良い機会になりました。 この会議で学んだ事を踏まえて社会的養護の問題に取り組んでいければと思います。   1CHrzri7WIAAwdVo