IFCAのユース・プロジェクトは、ユースの声を発信することで “社会を改革すること”、そして“ユース自身が成長すること” を大切な考えとし、概ね17歳から27歳までのメンバーが日々活動を行っています。
IFCAユース活動の6つの特徴とは
1. ユース・ボイスが主体となった活動であること
ユースボイスとは、「当事者の声」を意味します。IFCAでは、実際に社会的養護のもとで過ごした経験のあるユースを「社会的養護の専門家(エキスパート)」で、ユースボイスは、より良い社会的養護を実現していく上で、非常に大切なものである考えています。
IFCAユースたちが使っているリーダーシップ・ツールやその実践について知りたい方 詳細はこちら
2. ユースの内面の成長を重視した「ユース・デベロップメント」の論理を土台にしたプログラムであること
IFCAのユースを対象にしたプログラムは、メンバーが活動をつうじて新しい発見をし、それが自身の成長につながってゆくことが重要だと考えています。英語では、このユースの内面の成長のことを「ユース・デベロップメント」という言い方で表現します。
ユースが内面的な成長を遂げると、そこに何が起こるのか、について知りたい方 詳細はこちら
3. 独自のリーダー育成ツールを創り実践していること
IFCAは、ユースボイスの発信の仕方などのスキルの体得を「リーダーシップ育成」の一環として行っています。力強いリーダーを育てるカリキュラムやツールそのものも、団体のユースが主体となり、大人のサポーターの協力を得て作成しています。
IFCAユースたちが使っているリーダーシップ・ツールやその実践について知りたい方 詳細はこちら
4. 海外の当事者ユースたちとの連携・協働があること
IFCAの日本とアメリカのユースが一緒に活動してきた理由は、お互いの国の児童福祉の状況を、当事者の視点から比較すると、自分の国のシステムや制度について、新しい「気づき」があるからです。この国際的な活動からの学びをジャンピングボードにして、当事者ユースがより自分らしく、過ごしやすい社会をつくるために声を発信することが、日米両チームの共通した目的です。
IFCAユースたちが今まで、海外のユースや事業パートナーとどのような活動をしてきたか、そして今、何をしているのか、知りたい方 詳細はこちら
5. 国内で地域チームを結成し、ネットワークを築いていること
全国の複数のユース・チームがネットワークを形成し、年間を通じて共に活動しています。自分が育った土地以外のユースの経験を知り、全国に仲間を広げることは、IFCAを通して全国に友達を作ることでもあります。社会的養護の下で育ったという共通項が、私たちを地域を超えてつなげています。
IFCAユースたちがそれぞれの暮らす地域でどんな活動をしているのか、もっと知りたい方 詳細はこちら
6. 大人のサポーターとともにプログラムを行なっていること
地域チームにはサポーティブ・アダルト(SA)と呼ばれる、ユースの伴走者のような大人がいます。SAは、さまざまな経歴と職業を持っていますが、みな、ユースの良きお手本であり、励ましやアドバイスを与える人であり、信頼の置ける人物であることが共通しています。IFCAは、『ユース・アダルト・パートナーシップ(YA-P)』という協働のかたちを土台にして活動しています。
ユース・アダルト・パートナーシップ(YAーP)という考え方について知りたい方 詳細はこちら
今までの活動と成果
その他の主な活動
- 里親や、新任ソーシャルワーカーを対象にしたユースの声を届ける研修を行っています。
- 「ストラテジック・シェアリング」* の普及に努力してきました。(*これについては、この冊子の9ページに詳しい解説があります。)
- 全国にユースのネットワークを築き、年間を通じて共に活動しています。
- アメリカのユースたちとの協働も続けています。
数字に表せる成果もとても重要ですが、何よりも、私たちがいちばん大切だと感じている成果や実績は、IFCA の仲間たちの、チームとしての、またメンバー個人としての成長です。
2013年から2020年の活動実績
教え育む
- 先輩ユースが、後輩ユースや新しいメンバーにメンタリングの方法を使ってサポートしています。
- IFCAユースの有志による、里親や児童相談所の新任ケースワーカーを対象にした研修を行っています。
自らが創り実践する
- リーダーシップを育成するカリキュラムをユースたち自らがデザイン、作成し、実践しています。
- アメリカの当事者団体と継続的に協働し、その活動から得たことを日本のユースたちが利用できる自立支援ツールや、社会的養護の当事者のための権利章典の作成につなげています。
変革のために提言する
- 厚生労働省のヒアリングや委員会で意見表明をしました。
- ユースたちの提言が国連カウンターレポートの添付書類となって、国連本部に届けられました。
- 年間を通じて、地域、国、世界的なレベルで登壇活動を行い、ユースの声を社会に届けています。
仲間を増やし連携する
- 地域活動をすることから、メンバーを着実に増やしてきました。それにつれ、大人のメンバー(サポーティブ・アダルト)の数も確実に増えました。
- ユースたちにとって、地域チーム、そして全国のユースネットワークは、大切な居場所であり、家族的な繋がりをもつ、信頼できる人たちの集まりです。
数字に表せる成果も重要ですが、何よりも、ユースがいちばん大切だと感じている成果や実績は、チームとしての、またメンバー個人としての成長です。