インターナショナル・フォスターケア・アライアンス

”ユース・ボイス ” とは・・・?

近年、”ユース・ボイス”という言葉を耳にすることが多くなりましたが、この言葉の意味について考えたことがありますか?

以下は、私たちの団体(インターナショナル・フォスターケア・アライアンス、略称 IFCA)の定義です。

  ユース ボイス(ユースの声)は、若者たちの視点、考え方、経験、知識、行動など、さまざまなことを表す総称です。ユース ボイスは、若者が単に「大きな声をあげて発言する」だけでは成り立ちません。大人も含めたまわりの人たちが、かれらの声に耳を傾け、意見を尊重し、共有する環境があって、初めて力を発揮します。 児童養護施設や里親家庭で育った若者たちの声が重要なのは、かれらは、フォスターケアを経験した当事者として、ありのままのストーリーを語ることができるからです。 ユースボイスは、若者たちの権利を保障することと深い関係があります。措置解除を目の前にしたユースが、自分の将来を自分で決める権利を保つために、自立に関する会議に参加して積極的に発言することなどが、その例です。フォスターケアを経験した若者たちは、会議参加は目上の者にそむく行為なのでは、と気に病んだり、過去に自分の思いを無視され続けたことによる無力感が障壁となり、ユースボイスの発信が難しいと感じるかもしれません。特に、多数のユースに影響をあたえる政策協議などの集まりで意見を述べるのは、勇気もスキルも必要になります。

IFCAには、日本各地とアメリカにユースメンバーがいて、年間を通じて共に活動しています。

以下は、ユースたちの「ユースボイス」についての説明です。

ユースボイスとは、「当事者の声」を意味します。

IFCAでは、実際に社会的養護のもとで過ごした経験のあるユースを「社会的養護の専門家(エキスパート)」であると考えています。そして、ユースボイスは、より良い社会的養護を実現していく上で、非常に大切なものである考えています。

例えば、自分が社会的養護で過ごした中で理不尽だと感じたこと、変えたいと思ったことなどを自分の意見として誰かに伝えたいと思った時、あなたが語るその言葉こそがユースボイスとなります。当事者であるあなたの声は大切なユースボイスなのです。ユース一人ひとり、社会的養護の中での経験は異なっているでしょう。それぞれのユースが十人十色のボイスを持っているのです。

IFCAのユースは、このユースボイスを登壇活動や講演活動、インタビューなど様々な場面で発表し、自分の経験を踏まえた上で、どのようにしたら社会的養護がより良いものになっていくのかを提言しています。例えば、厚生労働省において(もしくは対して)児童福祉法改正に関する意見を述べたり、児童養護施設や乳児院などの社会的養護の施設で働く職員の方々への研修などを行っています。

他にも、日米のIFCAユースのユースボイスを集めたブログ”MY VOICE OUR STORY”の運用や、1年に1度、1つのテーマ (2017年のテーマは「当事者ユースの参画」に沿った様々なユースボイスを集めた冊子「ユース・パブリケーション」の発刊を行っています。

私たち当事者がユースボイスを伝えていくことで、聞き手に様々な影響や良いインスピレーションを与え、社会的養護にポジティブな変化を与えることができます。

しかし、ユースボイスはユースの人生や生い立ちに関する内容が語られることもあるので、正しい伝え方を知らなければ、時にはユースが傷ついたり、悲しい思いをしてしまう場合があります。

そこでIFCAでは、ストラテジック・シェアリングという考え方を用いて、「安全で効果的なライフストーリーの伝え方」について知ってもらうという活動も行っています。

ストラテジック・シェアリングについては、このページをご覧ください。