社会的養護を離れる皆さんに贈る当事者活動をしている私たちからのメッセージ ~IFCAの活動で大切にしていること~
社会的養護の当事者活動・参画については様々な意見があります。IFCAでは、私たちの立場を明らかにするために「メッセージ」を出しました。社会的養護に関わる皆様には、ぜひご一読いただき、 当事者参画とともにあっていただきたいと願っています。
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私たち、IFCA(インターナショナル・フォスターケア・アライアンス)は、社会的養護(施設や里親家庭など)での生活を経験した当事者の参画を目指す団体です。私たちは、社会的養護で育った経験のある当事者一人ひとりの声や思いを大切に、日々活動してきました。
これは、社会的養護のもとでの生活を経験した皆さんと社会に向けたIFCAからのメッセージです。
社会的養護での生活を経験し、今、「自立」しようとしているみなさん。これまでのみなさんの経験や考えてきたことは他人から否定されたり、操作されるものではなく、たくさんの対話を通して、自ら意味づけしていくものです。
自分たちの経験してきたことを他の誰かに伝えて、何かを変えたいと思うこともあるかもしれません。皆さんの声や想いは、皆さん自身の人生にとって、社会にとって、とても価値があり大切なものです。どうぞ周りの信頼できる人たちと対話を続けてください。
そして、社会には、同じように社会的養護での生活を経験し、声を上げようとしている仲間たち(ユース)や、そのことに敬意をもち共にあろうとする人たちがいます。
自らの経験を共有すること、声を発信することは、簡単なことではありません。私たちIFCAは当事者参画の理念や価値、安全性の確保の大切さを理解するおとな(サポーティブ・アダルト)とともに活動しています。そして、安全性を確保する手段を講じ、自らの人生を大切にしたうえで活動してきました。
私たちは、すべての子どもたちの権利が守られ、健やかに生きられる社会的養護の制度や社会のあり方を考えるためには、社会的養護の専門家である当事者の参画が不可欠であると考えています。
日本での当事者参画の道のりは、社会的養護で育った経験のある人、そしてその参画を支えようとする人たちが、この20年をかけてようやくの思いで切り拓いてきたものです。
私たちI F C Aは、社会的養護を必要とした人々、この先社会的養護を必要とする子どもたちのためにも、当事者参画の理念や価値を理解し敬意を払うサポーティブ・アダルト・専門職・研究者たちとともに、より良い制度・社会をつくるために活動を続けていきます。
「Nothing about us, without us(私たちのことを私たち抜きに決めないで)」